前回の記事では、半月板損傷の痛みの本当の原因は、損傷そのものではなく、膝を守ろうとする周囲の筋肉の過剰な緊張にあることをお伝えしました。
今回は、いざ整形外科などの医療機関を受診した場合、どのような治療の選択肢があるのかを詳しく解説していきます。
半月板損傷の治療は、大きく分けて「保存療法」と「手術療法」の2つがあり、近年は「再生医療」という第3の選択肢も注目されています。それぞれのメリットとデメリットを知り、ご自身の膝にとって何が最善かを考える参考にしてください。
選択肢その1 痛みを抑える「保存療法」
損傷の程度が比較的軽い場合や、ロッキング(膝が動かなくなる状態)がない場合に、まず試されるのが保存療法です。これは、主に症状の軽減と炎症を抑えることを目的としています。
① 安静・固定
最も基本的な処置です。炎症が強い急性期には、松葉杖の使用やサポーター、装具などで膝の動きを制限し、安静を保ちます。
② 薬物療法・注射療法
- 非ステロイド性抗炎症薬(内服薬・湿布) 痛みや炎症を抑えます。
- ヒアルロン酸注射 膝関節内の潤滑油の役割を補い、滑りを良くして痛みを軽減します。半月板を治癒させる作用はありません。
- ステロイド注射 炎症が非常に強い場合に、強力に炎症を抑えるために使用されることがあります。
③ 運動療法・リハビリテーション
痛みや腫れが落ち着いた後に行います。膝を安定させるための太ももの筋肉(大腿四頭筋など)の筋力トレーニングや、可動域を改善するストレッチが中心となります。
⚠️ 保存療法の限界
保存療法は安全性が高い一方で、前回お伝えした「筋肉の過緊張」という根本的な原因に直接アプローチするものではありません。痛み止めや湿布は一時的に痛みを抑えるだけで、根本原因が残っているため、痛みが再発しやすいという限界があります。
選択肢その2 損傷部位を修復する「手術療法」
保存療法で症状が改善しない場合や、損傷が大きく膝の機能に重大な支障をきたしている場合(ロッキングなど)に検討されます。現在では、小さな傷で行える関節鏡(内視鏡)手術が主流です。
① 半月板縫合術
裂けてしまった半月板を糸で縫い合わせ、修復する手術です。
- メリット 半月板を温存できるため、膝のクッション機能や安定性を維持しやすく、将来的な変形性膝関節症のリスクを減らせる可能性があります。
- デメリット 縫い合わせた部分がくっつくまで時間がかかるため、リハビリ期間が長く(数ヶ月〜半年以上)、スポーツ復帰までに時間を要します。
② 半月板切除術(部分切除)
損傷した部分を切り取り、形を整える手術です。
- メリット 手術時間やリハビリ期間が短く、早期に日常生活に戻りやすいです。
- デメリット 半月板の一部を失うため、膝にかかる衝撃が分散されにくくなります。その結果、膝の軟骨がすり減りやすくなり、将来的に変形性膝関節症へ移行するリスクが高まることが大きな欠点です。
選択肢その3 注目が集まる「再生医療」
近年、新しい治療の選択肢として「再生医療」が注目を集めています。これは、自身の体の一部を利用して、損傷した組織の修復を促す治療法です。
① PRP(多血小板血漿)療法
自身の血液から採取した血小板を濃縮し、それを損傷部位に注射する治療法です。血小板に含まれる成長因子の力で、組織の修復を促したり、炎症を抑えたりする効果が期待されています。
② 幹細胞治療
自身の脂肪などから採取した幹細胞を培養・増殖させ、膝関節内に注入する治療法です。幹細胞は、損傷部位で軟骨などの細胞に分化したり、炎症を抑えたりする作用が期待されており、特に変性性(加齢による)の半月板損傷に対する有効性が研究されています。
⚠️ 再生医療の位置づけ
再生医療は、手術をせずに組織の修復を促すという点で魅力的ですが、保険適用外で費用が高額になること、そして長期的な効果や有効性が現在も研究途上にあることを理解しておく必要があります。
なぜ「ゆらし療法」が根本解決の鍵になるのか?
ここまで見てきたように、病院での治療は「炎症を抑える(保存)」か「損傷部位を修復する(手術・再生医療)」が中心です。しかし、これらの治療だけでは、前回の記事で解説した「筋肉の過緊張」という真の原因が残ってしまう可能性があります。
- 手術をしても、膝のバランスが崩れたまま硬い筋肉が残っていると、負担がかかりやすく再発のリスクが残ります。
- 保存療法では、痛みをかばう動作によってさらに筋肉が硬くなる悪循環に陥ることがあります。
私たち、だいゆうどう鍼灸院・接骨院の「ゆらし療法」は、この従来の治療ではアプローチが難しかった「硬くなった筋肉」を優しく、徹底的に緩めることに特化しています。
痛みの原因を根本から解消し、自己治癒力を最大限に引き出すことが、半月板損傷の痛みを改善し、再発を防ぐための鍵となります。
重要なポイント
- 半月板損傷の治療には、保存療法、手術療法、再生医療と様々な選択肢がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。
- 最も重要なのは、「痛みの真の原因である筋肉の過緊張」を解決できるか否かです。
次回予告
次回の第3回では、「半月板損傷はなぜ、痛みが戻ってしまうのか?」というテーマで、従来の治療法が抱える再発リスクの問題を深掘りし、なぜ当院の「ゆらし療法」が必要なのかを明確にお伝えします。
「手術は避けたい」「根本的に治したい」と強くお考えの方は、ぜひ次回の記事もご覧ください!
だいゆうどう鍼灸院・接骨院では、この「筋肉の過緊張」を安全かつ的確に解消するための施術に特化しています。現在の痛みに悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。
注:本記事は半月板損傷の改善を保証するものではありません。また、標準医療及び再生医療を否定するもでもありません。先ずは専門医にご相談ください。















