半月板損傷ってどんなケガ?痛みが出る本当の原因とは

「膝が痛い」「膝が引っかかる」と感じて病院を受診された結果、「半月板損傷(はんげつばんそんしょう)」と診断され、不安な気持ちでこのブログを読んでくださっている方も多いのではないでしょうか。

半月板損傷と聞くと、「手術しかないのでは?」「もうスポーツはできないのでは?」とネガティブな想像をしてしまいがちです。

ですが、安心してください。

この第1回では、半月板損傷というケガの正体を知り、そして皆さんが今感じている痛みの「本当の」原因について、私たちだいゆうどう鍼灸院・接骨院の独自の視点から解説していきます。

そもそも半月板って何?膝の中の「縁の下の力持ち」

半月板は、膝関節にある大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にある、Cの形をした軟骨組織です。内側と外側に一つずつあり、断面が三日月のような形をしていることから「半月板」と呼ばれています。

この小さな半月板は、膝関節にとって非常に重要な「縁の下の力持ち」の役割を果たしています。

  • 安定性  骨同士の接触面積を増やし、関節の安定性を高めるストッパーの役割。
  • クッション材  膝にかかる衝撃を吸収し、分散させるサスペンションの役割。
  • 潤滑油  関節の動きをスムーズにする潤滑作用。
半月板損傷が起こる原因と代表的な症状

半月板の損傷は、主に以下のような状況で起こります。

  1. スポーツ外傷  膝をひねる動作(急な方向転換、ジャンプの着地など)で、半月板に強いせん断力や圧迫力が加わる。
  2. 加齢による変化  年齢とともに半月板の弾力性が失われ、ちょっとした動きや負荷で損傷しやすくなる。

半月板を損傷すると、以下のような症状が現れるのが特徴です。

  • 膝の痛み  特に膝を曲げ伸ばしするときや、体重をかけたとき。
  • ロッキング(嵌頓)  損傷した半月板の一部が関節の間に挟まり、膝が動かなくなる状態。激しい痛みを伴うことが多いです。
  • キャッチング  膝を曲げ伸ばしする際に、引っかかったような感覚がある。

【衝撃の真実】半月板の損傷自体は痛くない!?

ここからが、私たちが考える「痛みの本当の原因」という核心に迫るお話です。

多くの方は、「半月板が損傷しているから、そのせいで痛い」と考えています。ですが、これは正確ではありません。

膝の痛みの「本当の」原因 周囲の筋肉の過緊張

実は、半月板の組織そのものには、痛みを感じる「痛覚神経」がほとんど通っていないことをご存知でしょうか?(※一部の周辺部にのみ通っています)

では、なぜ半月板損傷と診断された方は激しい痛みに悩まされるのでしょうか?

それは、「損傷によって膝のバランスが崩れ、周囲の筋肉が過剰に硬くなってしまうから」です。

  1. 不安定化による防御反応  半月板が損傷すると、膝の安定性が低下します。すると、身体はこれ以上ケガを悪化させないよう、無意識に膝周りの筋肉(特に太ももの裏やふくらはぎ)をガチガチに緊張させて、膝を守ろうとします。
  2. 血行不良と疲労物質の蓄積  筋肉が過剰に緊張して硬くなると、血管が圧迫され、血行不良を引き起こします。その結果、痛み物質や疲労物質が流れにくくなり、筋肉そのものが痛みを発生させるようになるのです。
  3. 神経の過敏化  硬い筋肉は神経を刺激し、痛みに敏感な状態(過敏化)を作り出します。

つまり、あなたが感じている強い痛みや動かしにくさは、「損傷した半月板」が原因ではなく、「ガチガチに硬く緊張した周囲の筋肉」こそが真の原因なのです。

なぜ「筋肉の緊張」を解消しないと治らないのか

この「筋肉の過緊張」という真の原因にアプローチせず、損傷部位だけに注目した治療を続けると、どうなるでしょうか?

  • 湿布や痛み止め  炎症や一時的な痛みを抑えてくれますが、硬くなった筋肉を根本的に緩めてはくれません。薬の効果が切れると、また緊張による痛みが再発してしまいます。
  • 安静  痛いからと安静にしすぎると、筋肉はますます硬くなり、血行も悪化します。自己治癒力が発揮されにくい状態になってしまうのです。

結果として、痛みの原因である筋肉の緊張が残ったままだと、膝のバランスは不安定なままです。その状態で日常生活やスポーツを再開すれば、すぐに膝に負担がかかり、痛みが再発しやすい状態から抜け出せません。

半月板損傷の痛みを根本から改善し、再発しない体を目指すには、硬く緊張した筋肉を優しく、的確に緩めることが必須なのです。

重要なポイント

  • 半月板は膝の衝撃吸収と安定を担う大切な組織です。
  • 半月板損傷で起こる痛みの本当の原因は、損傷自体ではなく、不安定な膝をかばおうとして生じた「周囲の筋肉の過剰な緊張」にあります。
  • 痛みを根本から断つには、この「筋肉の過緊張」を解消することが重要です。

次回予告

次回のブログでは、病院などの医療機関で一般的に行われる半月板損傷の治療(保存療法・手術療法)について、その内容と、なぜそれらの方法では「筋肉の過緊張」にアプローチしにくいのか、その限界について詳しく解説していきます。

「手術は避けたい」「根本から治したい」とお考えの方は、ぜひ次回の記事もご覧ください。

だいゆうどう鍼灸院・接骨院では、この「筋肉の過緊張」を安全かつ的確に解消するための施術に特化しています。現在の痛みに悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。

注:本記事は半月板損傷の改善を保証するものではありません。また、標準医療を否定するものでもありません。先ずは専門医にご相談ください。

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