良い状態をキープ。鍼施術継続の必要性

2月の初めからスタートした「花粉症改善」をテーマにした連載も、今回がいよいよ最終回となりました。これまでは、早期対策のメリットや、顔周りの血流改善、そして薬に頼りすぎない体作りについてお話ししてきました。

2月の後半に入り、日差しに春の気配を感じる日が増えてきましたね。それと同時に、いよいよ花粉の飛散が本格化する時期を迎えます。最終回となる今回は、これまでに整えてきた体の良い状態をしっかりと維持し、春本番のピーク時を楽に過ごすために欠かせない「施術を継続することの大切さ」について、詳しく紐解いていきたいと思います。

「1回でスッキリ」の先に待っているもの

初めて鍼施術を受けた後、「視界が明るくなった」「鼻の奥まで空気が入る感覚がする」と、その即効性に驚かれる方は少なくありません。しかし、その心地よい状態がずっと続くかというと、残念ながら今の時期はそうもいきません。

なぜなら、私たちの外の世界では日々、絶え間なく大量の花粉が降り注いでいるからです。

鍼施術によって、一度は自律神経のスイッチが「リラックスモード(副交感神経優位)」に切り替わり、血流が改善したとしても、一歩外に出れば体は再び「花粉」という物理的なストレスにさらされます。すると、過敏になっている体は、自分を守ろうとして再び緊張し、血管を収縮させ、元の「過敏な攻撃モード」へと戻ろうとしてしまいます。

特に、長年花粉症に悩んできた方の体には、強い「アレルギーの癖」がついています。この「戻ろうとする力」に打ち勝ち、良い状態を体に定着させるためには、一過性のケアではなく、一定期間の継続的なアプローチが不可欠なのです。

鍼施術を継続することで積み上がる「3つの財産」

「継続」と聞くと、少し大変そうに感じるかもしれません。しかし、鍼灸における継続は、単なる現状維持ではなく、確実に体に「良い変化」を積み上げていく作業です。具体的にどのような変化が起こるのかを見ていきましょう。

1.体が「正しいバランス」を記憶する

私たちの体には、常に一定の状態を保とうとする機能があります。残念ながら、花粉症がひどい時は「鼻が詰まっていて、自律神経が乱れている状態」が、体にとっての「いつもの状態」になってしまっています。 定期的に鍼で刺激を与えることは、脳と体に「こっちが本来の、リラックスした正しい状態ですよ」と教え込み、上書きしていく作業です。回数を重ねるごとに、良い状態をキープできる時間は少しずつ延びていき、最終的には外からの刺激を受けても大きく崩れない「安定した土台」ができあがります。

2.ダメージからの「回復スピード」が上がる

花粉症のピーク時(3月から4月)は、どんなに対策をしていても、ある程度の炎症は避けられません。しかし、継続して施術を受けている体と、そうでない体では、ダメージを受けた後の回復力が全く違います。 巡りが良くなっている体は、炎症による老廃物を素早く回収し、傷ついた粘膜の修復を早めることができます。「朝起きたときは辛いけれど、少し動けばスッキリする」「ひどくなっても一晩寝れば落ち着く」といった、しなやかな回復力こそが、継続施術の大きなメリットです。

3.「二次的な不調」の連鎖を断ち切る

花粉症の本当の辛さは、鼻や目の症状そのものだけではありません。鼻詰まりによる「口呼吸」は喉を傷め、睡眠の質を著しく低下させます。また、絶え間ないくしゃみや鼻水は、脳に疲労を蓄積させ、集中力の低下や激しい倦怠感を引き起こします。 継続的なケアによって主要な症状をコントロールできていれば、こうした「疲れ」や「不眠」といった二次的な不調の連鎖を断ち切ることができます。シーズンを終えた後の、春特有の「燃え尽き症候群」のような疲れを防ぐことにも繋がるのです。

施術の効果を最大化するために、日常で意識したいこと

当院での施術の効果をより長持ちさせ、継続の質を高めるためには、ご自宅での過ごし方も非常に重要です。以下のポイントを少し意識するだけで、鍼の効果はより深く体に浸透します。

  • 首元を冷やさない 首には太い血管が通っており、顔周りの血流の要所です。首が冷えると筋肉が硬くなり、せっかく鍼で広げた巡りの道が狭くなってしまいます。外出時はもちろん、家の中でもストールなどで保護しましょう。
  • 目を休ませる時間を 現代人はスマホやパソコンで目を酷使しています。目の疲れは自律神経の乱れに直結し、花粉症の症状を増長させます。施術を受けた日は特に、早めに目を閉じて休めることを心がけてください。
  • 「深い呼吸」を思い出す 鼻が詰まっていると、どうしても呼吸が浅く、早くなりがちです。施術によって鼻が通った感覚があるうちに、意識的にゆっくりと深い呼吸を繰り返しましょう。深い呼吸は、鍼の効果である「自律神経の安定」をより確実なものにしてくれます。

伴走者としての「だいゆうどう鍼灸院・接骨院」

私たちは、ただ鍼を打つだけの存在ではありません。あなたがこの春、鼻詰まりで夜中に目を覚ますことなく、仕事や家事に集中でき、大切な人と笑顔で外出を楽しめるようになるための「伴走者」でありたいと考えています。

「今日は調子が良いから、もう行かなくていいかな」 そう思える時こそ、実は体質を根底から安定させる絶好のチャンスです。火が消えかかっている時に薪をくべるように、良い状態の時に適切な刺激を重ねることが、結果として未来の自分を一番楽にしてくれます。

薬のように「切れたら終わり」の対策ではなく、一生モノの「自分の体を整える力」を、この連載をきっかけに手に入れていただければ幸いです。

おわりに

全4回にわたってお届けしてきた「花粉症改善」の連載、最後までお読みいただきありがとうございました。

花粉症は、体からの「少し休んで、バランスを整えて」という重要なメッセージでもあります。その声を薬で遮断してしまうだけでなく、ご自身の体と丁寧に向き合い、慈しんであげる時間をぜひ持ってください。

だいゆうどう鍼灸院・接骨院は、あなたが今年、そして来年以降も、花粉症という季節の悩みに振り回されることなく、心穏やかに春の訪れを喜べるよう、精一杯お手伝いさせていただきます。

少しでも「ムズムズするな」「今年は本気で体を変えたいな」と感じたら、いつでもお気軽にご相談ください。あなたのための最適なケアを、一緒に進めていきましょう。

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  1. 概要 背景 夜泣きは、夜間、特定の時間帯に、あるいは一晩中、断続的あるいは継続的に子どもが泣いたり騒いだりする一般的な状態である。小児の睡眠障害としては一般的であり,親からの医療的援助が強く求められるが,夜泣きに対する非薬物療法の一つとして小児鍼治療がある。本総説は、夜泣きに対する小児鍼の有効性と安全性に関する文献をレビューすることを目的とした。 方法 は以下の通り。文献検索は,PubMed,Cochrane Controlled Register of Trials(CENTRAL),Allied and Complementary Medicine Database(AMED),中国国家知識基盤データベース(CNKI),万芳データベース,中国科学技術雑誌データベース(VIP),OASIS,研究情報サービスシステム(RISS),National Digital Science Library(NDSL)で開始日のわかるものから2020年12月28日時点まで実施した。2名のレビュー著者は、検索で得られたすべての関連論文のタイトルと抄録を独立にスクリーニングし、適格な論文を選択した。症例報告や事例研究を含む、夜泣きに対する鍼灸治療に関する臨床研究のすべての変種を適格とした。データは、標準的なデータ抽出フォームを使用して、2人のレビュー著者が独立して抽出した。抽出されたデータは表形式で示され、叙述的に考察されている。 結果 は以下の通り。病院の外来から募集した小児2,324人をサンプルサイズとする12件の研究(ケースシリーズ10件、ケースレポート2件)を対象とした。すべての研究が中国本土で実施され、唯一の介入として鍼治療が行われた。主要評価項目である夜泣きに対する鍼治療の有効率は,9つの研究で100%,1つの研究で95%,別の研究で94%,残りの研究で86%と報告された。副次的アウトカムについては,1つの研究では再発率が14%であったが,別の研究では治療後の再発率が11%であったと報告されている。ほとんどの研究で追跡調査は行われていない。どの研究でも有害事象の可能性は報告されていない。ほとんどの子供が1回の治療で回復した。一般的に最も多く選択されたツボはEM30四缝とPC9中衝のツボであった。 結論 本総説 は、小児鍼が夜泣きに対して有効な治療法である可能性を示唆し、さらに検討する価値があると思われる。

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