産後にあぐらは、いいの?悪いの?【ついに決着!?】

産後にあぐらの姿勢をとってもいい!という意見と、悪い!と言う意見。調べてみると両方でてきますね。解剖学的に考えて私たちの見解を述べていきたいと思います。

産後のあぐらはいいの?悪いの?
あぐらを組んでいいのか不安、受有姿勢が正しいのか気になる

あぐらをかいていいのか不安な方
授乳姿勢がこれで正しいのか気になる方

産後の身体に及ぼすあぐらの影響がわかります。そして、あぐらと痛みに関することや、授乳姿勢についても解説します。

目次:

1.産後のあぐらは賛否両論【決着!?】
  1-1 産後のあぐら賛成派の主張とは?
  1-2 産後のあぐら反対派の主張とは?
  1-3 あぐらはいいの?悪いの?【大有堂の見解】
2.よくある質問 Q&A
  2-1 Q.あぐらで授乳するときに気を付ける事とは?
  2-2 Q.あぐらをとるとお尻や恥骨部が痛いのですが?
  2-3 Q.あぐらをとると股関節に違和感があるのですが?

記事の信憑性:

まゆです 記事を書いているのは、3児のママ(小5、小1、1歳)
大有堂鍼灸接骨院のまゆです。理学療法士になり16年、
所属は日本理学療法士学会、大阪府理学療法士会です。
また、産科リハビリテーション研究会会員です。

1.産後のあぐらは賛否両論【決着!?】

あぐらに対して賛成している方々、反対している方々の意見を見ていき、当院のあぐらに対する考えを書いていきたいと思います。

産後のあぐらは賛否両論

1-1 産後のあぐら賛成派の主張 とは?

あぐらは脚を開いた状態でつま先は内側に向きますよね。これは、骨盤を身体の中心軸に向けて引き締める方向に力が加わることになるんです。
妊娠後期からお産にかけては産道の確保のために骨盤は左右に開きます。これをもとの状態に引き締めるには身体の中心軸方向に骨盤を押す力が必要になります。骨盤ベルトの構造と力が加わる方向を見ると分かりやすいですよね。

あぐらは足は外側に向いているものの、骨盤は内側に捻じれます。捻じれる方向が体の内側なので、今以上に骨盤を広げることはありません。むしろ、骨盤を締めてくれる効果を期待できる座り方なのです。

などでした。

1-2 産後のあぐら反対派の主張とは?

胡坐が腰に悪いかというと、それは骨盤が立たず腰椎が後方へ引き出されてしまう(腰が丸くなってしまう)から

あぐらと言うのは足の向きが外側に向くものです、そのため、足が外側に向いているから骨盤も外側にどんどん開いていってしまう。 

あぐらをかくと太ももが大きく左右に開く形になります。この形は骨盤を開いた状態になるので、あぐらを頻繁にかく人は骨盤が開いていることが多いです。

などでした。

1-3 あぐらはいいの?悪いの?【大有堂の見解】

どのサイトも「あぐら」についての定義が記載されていないのですが、一般的には足をクロスするタイプか、脚の裏をくっつけるタイプだと思います。両足首を膝に乗せるタイプは瞑想などで使ったりしますが除外させてください。

ここでは、骨盤底筋群・会陰部(ペリネ)の保護、骨盤の保護を優先する立場で考えていきます。

反対派の主張にある「あぐらを組むと骨盤が開く」という意見は、理学療法士的に「言葉が足りない」と思います。あぐらの姿勢で開くのは、骨盤ではなく股関節です。股関節を開くことは、骨盤を開くことと同じではありません。

おそらく、骨盤が開くと主張している反対派の方はあぐらをかくことで骨盤がねてしまい(後傾位)その上から内臓の重みがのってくることで、仙腸関節に対して荷重がかかり骨盤を広げる・歪ますことにつながることを訴えているのだと思います。また、腰椎に対して負荷が大きくなることも挙げられます。

あぐら姿勢を最大のデメリットはここにあります。

あぐら姿勢賛成派の主張も、必ず一つの条件が提示されていました。それは、背筋を伸ばすという事。あぐら姿勢のデメリット、猫背になりやすいことを取り除くことができれば、メリットを最大に受け取ることができるという事ですよね。

あぐら姿勢のメリットは、骨盤を歪ますことなく、骨盤底筋群・会陰部に圧迫をかけることがない点です。また、産後すぐから行っても会陰縫合や帝王切開の術後でも痛みや圧迫されるところがないところも優れていると思います。

お産後はまだ子宮は1キロ以上もあり、靭帯も伸びきった状態であらゆる組織が重力の影響で、下や前に引っ張られることで骨盤底筋群・会陰部にこれでもかという負担をかけていきます。

これを、いかに負担を少なく過ごすことができるかが、産後の体型につながり、尿失禁、子宮脱などさまざまなトラブルを予防することができるのです。

これが産後ママのあぐら姿勢

おへそが床を向き、骨盤がたっているあぐら姿勢

1.坐骨の下にクッションを敷いて、骨盤を少し高くしてあぐらを組みます。

2.おへそが床の方向に向いていることを確認できたらいい姿勢だと思います。
(尾骨のうえの平らな部分が床面と直角になるようなイメージです)

あぐら姿勢は産後に適した姿勢だと思いますが、骨盤が倒れてしまう(後傾位)になってしまうと骨盤底筋群・会陰部や骨盤に悪影響が出てしまうすわり方でもあります。

また、産後ママがおこなうあぐらは、脚をクロスさせたものか、脚の裏を付けたものだと思います。片方の座骨に体重を乗せてしまうようであれば、脚の裏を付けたあぐらが望ましいですが、クッションを利用して両方の座骨に均等に体重を乗せられるあぐらであれば、脚をクロスさせて物でも大丈夫です。

紹介した座り方をすることで、無意識に骨盤がたった良い姿勢がとれるため、ふだんからあぐらをかかない方でも無理なく続けることができると思います。

2. よくある質問Q&A

お答えします A.あぐらで授乳をするときは、赤ちゃんが小さいうちは特に
ママの姿勢が悪くなりがちです。この時も、やはり骨盤が倒れる
(後傾位)ことは避けることが大切です。

具体的には、骨盤を立たしたまま身体を前に傾けます。柵にもたれ
かかる感じで、胸の下の肋骨部分を授乳クッションにあずけて身体
を支える姿勢です。

2-1  Q.あぐらで授乳するときに気を付ける事とは?

授乳クッションを使用することで、小さな赤ちゃんを身体で迎えに行かなくてよくなり、身体が丸まって骨盤が倒れたあぐらの姿勢になることを防ぐことができます。

授乳は1回およそ15分程度かかります。それが、、一日に10回程度と考えると二時間半も授乳していることになります。

その時間を、自分の体を労わる時間にするか、ダメージを与える時間にするのか、意識を変えるだけで、産後太りを防いだり、子宮脱や尿失禁などの予防することができます。

2-2 Q. あぐらをとるとお尻や恥骨部が痛いのですが?

お答えします A.あぐらを組むとお尻や恥骨部が痛い方、もしかすると日常生活
の中で他の動作でも同じ部分が痛い経験をしているのではない
でしょうか。

恥骨結合部は、普段はほとんど動く関節ではありませんが、妊娠の
ホルモンによって靭帯や軟骨が緩んで恥骨結合が離れてしまうこと
が起きます。

お尻の痛みは尾骨による痛みです。胎児が通過するときに、仙骨と尾骨の間がこじ開けられるように動くことがあります。

これらは、捻挫や脱臼と同様のもので同じくらいの痛みを伴うことがあります。このような場合は、医師に相談し鎮痛薬や抗炎症薬の処方が必要になってきます。

しかし、薬を飲むほどではないがあぐらの姿勢で痛みが起きるという場合は、骨盤の矯正をおこなうことでその場で改善することが多いものです。ぜひ、ご相談ください。

ちなみに、この時期の女性の身体は非常に簡単に関節が動きます。それは、矯正の方法によっては治療者によって脱臼や捻挫をさせられてしまうほどデリケートです。必ず、専門的に勉強しているところで治療を受けてください。

2-3 Q. あぐらを組むと股関節に違和感があるのですが?

お答えします A.あぐらを組む姿勢は、専門的に言うと股関節屈曲・外転・外旋
の動きをします。これは、とても複雑な動きで、股関節のような
特別な関節しか見られない動きです。
そのため、動きの自由度が大きい分関節がすこしずれるだけでも
引っ掛かりを感じたり、動かしにくさを感じるなどの違和感を生じ
ます。

股関節は骨盤とふとももの骨で構成される関節のため、妊娠・出産時に骨盤がゆがんでしまっていると違和感、酷い時には痛みを感じます。

股関節に違和感を生じたままでいると、腰痛や肩こりの原因になるほか、母乳の出も悪くなることもありますので、骨盤矯正を受けることをお勧めします。

また、骨盤のゆがみだけでなく、足首のゆがみから股関節に違和感を生じさせることもありますので、捻挫をした経験があったり、偏平足、外反母趾など思い当たる方、O脚やX脚を指摘されたことのある方は、合わせて矯正すると効果大です。

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