妊娠中に便秘をするといきむのが恐い。でもお薬を使うのも不安。そんなあなたは必読!
妊娠してから便秘に困っている人
便秘解消に薬以外もを詳しく知りたい人
妊娠中に便秘が起きるメカニズムと、安全な便秘解消法がわかります。
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本記事のテーマ:
妊娠中に便秘が起きるメカニズムと安全な解消法を紹介
目次:
1.マタニティと便秘はなぜ起きる?
1-1 生理的原因【妊娠初期】
1-2 物理的原因【妊娠期中期以降】
1-3 骨盤のゆがみとゆるみ【妊娠期全般】
2.便秘解消法【安易に薬に走らない‼】
2-1 これが今注目の便秘解消フード
2-2 馬鹿にできないツボと刺激の方法
2-3 妊婦さんと便秘薬について【注意】
記事の信頼性:
記事を書いているのは3児のママ、大有堂鍼灸接骨院のまゆです。16年目の理学療法士で日本理学療法士学会、大阪府理学療法士会、及び産科リハビリテーション研究会会員です。
1.マタニティと便秘はなぜ起きる?
妊婦さんのほとんどが、妊娠中に便秘で悩むと言われています。
1-1 生理的原因【妊娠初期】
そもそも、妊娠すると腸の動きが悪くなるんです。
妊娠すると子宮に受精卵を着床し続けさせるために黄体ホルモンが分泌されます。黄体ホルモンはからだに水分や塩分をため込むように作用し、大腸から便の水分を吸収し便を固くする働きをします。また、妊娠時は、流産しないように子宮筋の収縮を抑制する働きもあり、腸の動きを鈍くします。そのため妊娠中、特に初期はホルモンによる便秘になりやすいのです。
また、つわりも原因になります。食べても吐いてしまう、もしくは食べられない人は、食べ物の摂取が少ないので便になる量が少なく排出がしにくいと言うことがあります。そして、水分も吐いてしまう人は、身体が水分不足のため、便が固くなりやすく便秘になりやすいです。
1-2 物理的原因【妊娠中期以降】
妊娠月齢が進むにつれて、子宮の大きさは大きくなります。そのため、子宮は内臓や膀胱、腸を圧迫します。腸は圧迫されると、蠕動運動を妨げられるため、腸の動きが悪くなり便秘になりやすいです。
1-3 骨盤の歪みとゆるみ【妊娠期全般】
昔の人は足腰が強かったけれど、現代人は弱くなりましたよね。
お産に向けて、リラキシンというホルモンを分泌することで、骨盤は少しずつゆるめ、ストレスなく赤ちゃんが生まれてくることができるようにお産の準備をはじめる正常な身体の動きです。
田植えをし、木に登り、水を汲んでいた時代は、日常生活で自然と足腰は鍛えられていました。廊下を吹くことや、釜に火を噴くことは出産に必要な筋肉を鍛えるのに非常に大切な役割りをしていたのです。そのため、現代人はそれらを手放してしまったので出産に対して非常に弱い動物になってしまいました。そのため、骨盤が緩むと同時に歪みやすくなり、緩む幅も大きくなりました。
骨盤が歪むと、骨盤内の血流やリンパの流れが滞りやすくなります。そのため、下半身に冷えが生じたり、むくみがでます。これらは、腸内の大腸菌などの悪玉菌の増殖を促し、腸内環境を悪化させるため便秘を生じさせます。
2.便秘解消法【安易に薬に走らない!】
2-1 これが今注目の便秘解消フード
便秘解消に効果があると言われている食べ物はいくつもありますが、排便できればいいってものでもないですよね。妊娠中は排便時にいきむのも何となく怖いし、痔になりやすいし、キレちゃうのも嫌!つるんとすんなり毎日出てくれる食材ってないの?とおもって調べてみました。それはキウイフルーツ!
2016年4月にニュージーランドで初めて開かれた国際シンポジウムにて、キウイフルーツの高い便秘解消効果が発表されました。便秘解消のポイントはキウイフルーツの保水力。キウイフルーツの食物繊維は大量の水分を含んでいるため、それが大腸に届くと硬い便が柔らかくなり素早く移動、スムーズな排便が可能ということです。
そもそも便秘とは、食物繊維が不足することで腸内の運動が低下し、過剰に便から水分が吸収されることで排便が困難になる状態です。キウイフルーツは豊富に食物繊維を含むため腸の動きを刺激し、便に水分を与えるために、強いいきみを必要としない、するっとした排便をうながします。
あと、基本的に水分摂取は忘れないようにしたいです。むくむのがいや、何となく忘れていたと言って水分摂取をしない妊婦さんは便秘になっちゃいますよ。
2-2 馬鹿にできないツボと刺激の方法
ツボの位置を厳密にとることは難しいですが、ツボの位置というのは、不調の原因となっている筋肉や神経と重なることが多く、セルフマッサージする際はツボという「点」を押すよりも、その周囲の「面」をマッサージする方が効果を発揮することが多いです。そのため、ツボの付近をさする、円を描くようにもむ、その周囲も軽く押すことが自宅で効果を実感できるやり方だと思います。
大腸兪【便意をもよおす】
左右の骨盤の一番高いところを結ぶ線上、背骨から外へ指二本半のところにある。
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支溝【どんな便秘にも効く】
手の甲側で、手首からひじに向かって、指四本分のちゅうおうにある。
2-3 妊婦さんと便秘薬について 【注意】
食事や運動療法、生活習慣の指導でも改善されない場合は、薬が処方されます。一般的には、酸化マグネシウムなどの塩類下剤が第一選択となります。塩類下剤は、腸管からほとんど吸収されず、習慣性も少なく長期使用ができるので、マタニティに対して安全性が高いと考えられています。それでも効果が無い場合は、ラキソベロンやアローゼンなどの大腸刺激性下剤が処方されます。これらは腸の蠕動運動を亢進と腸粘膜への直接作用で刺激し、排便を促します。作用は強力である反面、習慣性があります。
ここで注意があります。
産科医の処方によるセンナ製剤は、妊婦に対して安全性が高いとされていますが、一般医薬品(OTC薬)の場合は注意が必要です。センナ製剤の添付文章には、大量投与により子宮収縮を起こし、早産・流産の危険性があると書いてあります。そのため、漢方やハーブ系の薬は安全だと勘違いをして自己判断で服用しないようにしてほしいと思います。
妊婦さんが薬を服用する際は、医師や薬剤師に相談するのが当たり前だと思って、マタニティライフを過ごしてもらえたらと思います。
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