妊娠しても風邪ひくことはありますよね。お薬飲んでいいの?東洋医学では?
妊娠していて風邪をひいてしまった人
できるだけお薬を飲みたくない人
お薬とお腹の赤ちゃんの関係や東洋医学で風邪と向き合う方法などをご紹介します。
[su_spacer]
本記事のテーマ:
プレママが風邪をひいたときに正しい薬との付き合い方を知る。
薬以外にも風邪の対処法があることを知る。
目次:
1.マタニティと風邪と薬
1-1市販薬について
1-2漢方薬について
1-3インフルエンザワクチンについて
2.風邪の時のホームケア実践編【予防を含む】
2-1 ツボ刺激
2-2 薬膳
2-3 アロマ
記事の信憑性:
記事を書いているのは16年目の理学療法士です。日本理学療法士学会、大阪府理学療法士会、及び産科リハビリテーション研究会会員ので、3児のママ、大有堂鍼灸接骨院のまゆです。
1.マタニティと風邪と薬
基本的な考え方として、妊娠中はかかりつけの産婦人科医を受診して相談することが大切です。休診日などで行けない場合は、薬剤師さんに相談することが大切です。
1-1 市販薬について
妊婦さんが安全な薬を選べるように、何がいついけないのか?安全なのかを紹介します。
「知らずに飲んでしまった!」という妊婦さん、一般の市販薬のかぜ薬を飲んだとしても、大きな心配はないと言われていますので良かったですね。
しかし、市販薬の中には胎児に対して影響を及ぼす可能性が報告されている成分が含まれているものもあり、少量しか含まれていないとしても、できるだけ避けて飲みたいですよね。
しかも、私が妊娠しているとき、薬に気を付けなくてはいけないのは初期だけだよと言われたのですが、違っていました!!注意してください!
添付文書上、妊婦さんは飲んではいけない成分はアスピリン、ロキソプロフェンナトリウムなどです。これらは、特に妊娠後期にの飲まない方がよいです。そして、飲んではいけないわけではないけれど、妊娠後期のおいて動脈管収縮など胎児毒性を起こす可能性があるのがイブプロフェンなどです。
低用量のアスピリンは血小板凝集抑制作用により習慣性流産や、妊娠期高血圧症の治療に用いられることはあります。その際は医師からリスクと治療効果について話されると思いますので、相談して治療方針を決定してください。
1-2 除外した成分が入っている商品と入っていない商品
これらの成分が含まれていない主な風邪薬と解熱薬はこちら。
風邪薬
- コンタック総合感冒薬(カプセル)
- 新ジキニン顆粒
- パブロンSゴールド錠
※パブロンエースはイブプロフェンが含まれてます! - プレコールエース顆粒
- プレコール持続性カプセル
- ベンザブロックS(カプレット)
※ベンザブロックL、ベンザブロックIPにはイブプロフェンが含まれています。 - 新ルルAゴールド(錠)
- 新ルルAゴールドDX
解熱鎮痛薬
- タイレノールA(禁忌成分なし、カフェインレスの優等生!)
- ノーシン錠
- ノーシン「顆粒」
- ノーシンホワイト錠
- 新セデス錠
- セデス・ハイ
- ナロン錠・顆粒
- ※ナロンエースにはイブプロフェンが含まれます。
製薬会社も成分を変更することもあると思うので、妊娠しているときに市販薬を購入、または服用する際は薬剤師に相談したほうがいいです。
もう一度言いますが、基本は医師に相談し処方してもらう薬が一番症状に合っていて、安全なものなので市販薬を服用したとしても、受診できる段階でお医者さんに薬を出してもらいましょう。
1-3 漢方薬について
漢方薬は安全と思っていますか?漢方薬は西洋薬と比べて使用してきた歴史が長く、問題が指摘されていないため安全性が高いと言われています。現在の所、妊娠中に漢方薬を使用して問題となる副作用の報告はありません。
しかし、漢方の世界でも妊婦に服用させてはいけない成分があります。これらを含む漢方薬を妊娠前に常用していたとしても、妊娠成立とともに中止すれば問題は生じません。また、短期間の服用では重大な妊娠経過や胎児への影響は報告されてません。
有名な漢方薬で、風邪にも効果がある葛根湯などは妊婦さんは服用したいと思うのではないでしょうか。しかし、葛根湯は麻黄という麻の実が含まれているので、長期投与は避けた方がいいと思います。そのかわりに、妊娠初期の風邪には香蘇散が頭痛や寒気がするときに服用されることが多いようです。
妊婦さんにおすすめの漢方は、何と言っても当帰芍薬散。子宮の収縮を抑えてくれるために、安胎薬とされています。鉄欠乏貧血にも効果があると考えられており、マタニティライフを支えてくれそうな漢方薬ですね。
2. 風邪の時のホームケア実践編【予防を含む】
いくら薬が安全と言われても、出来る限り薬は飲みたくない!わかります。
2-1 ツボ刺激
東洋医学では風邪という邪気が風門という肩甲骨の間から入ってきて鼻汁が出たり、のどが痛くなるような症状を表すと考えます。
【ゾクっ!ツボを刺激して風邪を撃退!】
自分で軽くもみほぐすのも効果的です。しかし、調子悪い時に自分では辛いので、温めたタオルを背中に当てるのもおススメです。そんなざっくりなケアでも効果ありますよ。もちろん、鍼灸治療に来ていただくのは嬉しいです。
- 風府: 背骨から上がって髪の生え際と後頭部の一番高いところの中間点
- 風池: 少し上を向いた時、背骨から上がって指が止まるくぼみ(風府(ふうふ))と、耳の下を結んだ中間点
- 風門: 下を向いた時に首の裏に大きくでっぱる骨があり、その骨から背骨に向かって数えて下2つ目の突起の骨
お灸の方法を直接聞きたい方、妊娠中にできるベストを望まれる方、ぜひいらして下さい。…ご予約は今すぐ!
2-2 薬膳
背筋がぞくぞくするタイプの風邪は「風寒」。生姜や葛湯などで身体を温めて、汗をかくことで風邪を追い払います。
発熱やのどの痛み、腫れがある風邪は「風熱」。ナシや大根のすりおろしを飲み、水分補給をしながら身体の中の余分な熱を追い出します。
咳や痰が出る場合、黄色い痰がでているときは「水」のめぐりが悪く「肺」に熱を持っているで、大根やなし、レンコンなどをすりおろして飲みます。
白い痰がでているときは身体に冷えがある場合があるので、ねぎやしょうがで温めてあげましょう。
風邪気味に梅醤番茶
梅干1個、しょうゆ 小さじ1と1/2、 ショウガのしぼり汁 少々
番茶 適量
①梅干を茶碗に入れて箸でよく潰す。
②上のものに醤油、生姜のしぼり汁を加え、熱い番茶を注ぐ。
薬膳・漢方の母子健康帳 監修:薬日本堂 出版:実業之日本社
2-3 アロマ
背筋がぞくぞくするタイプの風邪「風寒」では、ユーカリやティートリーの香りもかぜ撃退におすすめです。
発熱や腫れが起きるタイプの「風熱」では、ラベンダーの香りがいいと言われています。
参考文献:妊娠・授乳とくすりQ&A 監修 林昌洋・石川洋一 株式会社じほう
薬膳・漢方の母子健康帳 監修 薬日本堂 実業之日本社
ツボ治療の決め手 著 芹沢勝助 健友館