前回のブログでは、花粉症対策には2月からの「土台作り」が大切であるというお話をしました。体のコップが溢れ出す前に、免疫のバランスを整えておく。これが、春を快適に過ごすための第一歩です。
さて、連載第2回となる今回のテーマは、より具体的な「症状」へのアプローチについてです。
「鼻が詰まって夜も眠れない」 「目がショボショボして、仕事に集中できない」 「顔全体が腫れぼったく、頭が重だるい」
こうした、今まさに起きている、あるいはこれから本格化する不快な症状に対して、鍼施術がどのように「スッキリ」を届けるのか。その仕組みを分かりやすく解説していきます。
顔の中で起きている「交通渋滞」を解消する
花粉症の時期、私たちの鼻や目の粘膜では激しい炎症が起きています。 炎症が起きると、その周囲の血管は広がり、水分が染み出して組織が腫れあがります。これが鼻詰まりの正体です。さらに、炎症を鎮めようと血液が集中するため、顔周りの血流は、いわば「交通渋滞」のような状態に陥っています。
この渋滞が起きると、古い水分や老廃物が回収されにくくなり、さらに腫れや赤みが引かないという悪循環に陥ってしまいます。
鍼施術の得意分野の一つは、この「滞った流れをスムーズにすること」です。
顔周りの適切なポイントに、髪の毛よりも細い鍼で刺激を与えることで、微細な血流の変化が起こります。すると、渋滞していた血液やリンパの流れが促進され、溜まっていた熱や水分がスッと引いていくきっかけを作ることができるのです。
鼻・目・頭に効く、鍼施術の具体的なアプローチ
当院では、単に鼻や目の周りに鍼をするだけでなく、顔全体の巡りをトータルで整えていきます。具体的にどのような変化が期待できるのか、部位ごとに見ていきましょう。
1.鼻の通りをスムーズにする
鼻の横や、鼻の付け根付近への刺激は、粘膜の腫れを鎮めるのに非常に効果的です。施術を受けた直後から「あ、鼻の奥に空気が通るようになった」と実感される方も少なくありません。 空気の通り道が広がることで、口呼吸による喉の乾燥や、睡眠の質の低下も防ぐことができます。
2.目のかゆみと腫れぼったさを和らげる
目の周りの筋肉は、かゆみや充血があるとき、非常に緊張して硬くなっています。 この緊張を優位に緩めることで、目の周りのうっ滞が解消されます。かゆみが完全にゼロにならなくても、目の周りの「熱感」が引くだけで、不快感は大きく軽減されます。見た目の腫れぼったさがスッキリするというメリットもあります。
3.頭の重だるさ(頭重感)を解消する
鼻が詰まると、頭がボーッとしたり、重く感じたりすることが多いですよね。 これは、顔面の血流不全だけでなく、鼻呼吸ができないことで脳の温度調節がうまくいかなくなることも原因の一つと言われています。鍼によって顔周りの巡りが良くなると、頭の霧が晴れたような爽快感を得ることができます。
実は重要!「首と肩」の緊張を解く理由
顔周りの症状を改善するために、当院が大切にしているのが「首と肩」への施術です。
顔へ行く血液やリンパは、必ず「首」を通ります。もし首や肩の筋肉がガチガチに凝り固まっていたらどうでしょうか? せっかく顔に鍼をしても、出口や入り口である首が詰まっていては、効果は半減してしまいます。
花粉症の時期は、くしゃみの衝撃や鼻をかむ動作で、意外にも首や肩に力が入っています。 これらの緊張を丁寧に解きほぐすことで、顔への血流の「バイパス」を広げ、鼻や目の症状をより効率的に、そして長く緩和させることができるのです。
副作用のない、優しい選択肢として
鼻詰まりの薬の中には、血管を収縮させることで一時的に通りを良くするものもありますが、使いすぎると粘膜を傷めてしまうリスクもあります。
鍼施術によるアプローチは、あくまで「あなた自身の巡る力」を助けるものです。 無理に抑え込むのではなく、滞りを流して自然な状態に戻していく。だからこそ、施術後のスッキリ感は非常に心地よく、体への負担もありません。
「薬を飲んでも鼻が詰まって苦しい」という方は、ぜひ一度、この「流れる感覚」を体感してみてください。
次回予告
次回のブログでは、多くの方が抱える「お薬」に関する切実なお悩みについて踏み込んでいきます。
花粉症シーズン、真っ先に頼りたくなるのがお薬ですが、その一方でこんな声をよく耳にします。
- 仕事中にどうしても眠くなってしまうのが困る
- 妊娠中や授乳中で、できるだけお薬を控えたい
- 長年飲み続けているけれど、だんだん効き目が弱まっている気がする
- 喉がカラカラに乾くなど、お薬の副作用が辛い
第3回では、こうしたお薬に頼りたくない、あるいは頼れない状況にある方へ向けて、鍼という「もう一つの選択肢」についてお話しします。
なぜ鍼の刺激が、お薬を使わずにアレルギー反応を和らげることができるのか。一時的に症状を抑え込むのではなく、体本来の「過剰に反応しすぎない力」をどのように呼び覚ましていくのか。
「体質だから仕方ない」と諦めていた方にこそ知っていただきたい、鍼ならではの根本的なアプローチについて詳しく解説します。どうぞお楽しみに!
















